ものづくりに携わる「プロセスエンジニア」
プロセスエンジニアとは
半導体を組み込んだ製品を開発する際の生産プロセスを考えるのが、プロセスエンジニアです。開発技術を支える半導体エンジニアとは違い、プロセスエンジニアは原材料の選定や製造方法の確立などを行います。ものづくりに関する一連の工程を管理するだけでなく、デザインや製品基準などを考慮した上で、低コストで量産化するためのプロセスを導き出します。生産プロセス全般に携わるため、半導体に関する知識はもちろんですが、化学や物理、電気、機械などについて幅広く学ばなければなりません。様々なバックグラウンドを持つエンジニアがプロセスエンジニアになるケースも多いようです。
プロセスエンジニアには、コストの観点から生産プロセスを考えるスキルが求められます。「ものづくり＝常にいい製品を生み出す仕事」です。どれだけ世の中の役に立つ製品であっても、莫大なコストがかかるのであれば企業にとってはマイナスです。そのため、プロセスエンジニアはコストを最小限に抑えた上で、厳しい製品基準をクリアするための生産プロセスを設計し、現場に落とし込むスキルが必要です。
プロセスエンジニアの仕事内容
半導体を組み込んだ製品の企画から、それを具現化するためのプロセスを考えます。生産プロセスの設計は、実験と検証を繰り返しながら進められます。企画開発やデザインなどの部署と連携し、PDCAサイクルを回さなければなりません。加えて、生産プロセスが安定的に稼働するための環境整備を行います。常に状況を把握し、問題があればその都度改善しなければなりません。設計した生産プロセスを運用していく中で、必ず何らかのトラブルが発生します。そういった時も、トラブルに対してネガティブに捉えるのではなく、改善のための材料として今後に活かしていく姿勢が求められます。より効率的にものづくりを進めていけるようにプロジェクト全体を支える存在が、プロセスエンジニアです。
プロセスエンジニアの魅力
プロセスエンジニアの魅力は、製品開発のスタートからゴールまでの全ての工程に携われる点です。想定した通りに製品が生産され、それが顧客の手元に届いた時は大きな達成感を得られるでしょう。プロセスエンジニアにとって最も重要なのはコストに対する意識です。計画通りの数値で問題なく製品を生産し、量産に成功した時のやりがいはひとしおです。他のエンジニアやデザイナーの人材手配など、一般的なエンジニアの範疇にはない仕事が発生することもあります。大変なことも多いですが、あらゆる分野の担当者と連携してプロジェクトを進められる点は、幅広い経験を積みたい人にとって大きな魅力です。
